見積書より高く請求された
「注文した印刷物と一緒に渡された請求書を見たら、見積書より高額になっていた」
これは、たまに聞く話しで、印刷あるあるかもしれません。
なぜ、そんなことが起こるのか。
可能性として思い当たるのは、見積りと内容が変わったから です。
例を挙げますと、
お客さんの指示・意向で
・紙の種類を変えた
・1色刷りから4色刷り(カラー)に変えた
・ページを増やした
・枚数(部数)を増やした
・製本様式を変えた
などなどがありますが、
「えっ!、こんなんで値段が上がるの?」と、
一番ビックリされるのが、
お客さんの指示で
・校正中に原稿が差し替えになった
・校正中に追加訂正が山のように出た
です。
印刷屋の誤字脱字や、原稿の指示通りになっていないことについては、印刷屋のミスですから、当然ですが、校正中に無償で直します。
そのために校正という、印刷屋が作った「版」の確認をお客さんにしてもらう訳ですが、それは、原稿の指示通りに出来ているかどうかの確認なので、校正中に原稿の差し替えや、お客さんの都合による大幅な追加訂正があれば、お客さんの指示で生まれた新たな作業になりますから、それについての料金が発生します。
自由席券しか持たずに新幹線に乗ったけど、混んでいたから空いていた指定席に座ったら、車内検札で指定席料金を請求されたというのと同じです。
お客さんが+αを求めれば、+αの費用が発生します。
もっと言えば、居酒屋で刺身を注文したけど、出てきた刺身を見てから「やっぱり焼き魚にして」と注文を変えても、刺身に難がない限り請求されます。
お客さんの指示でお作りしたものを、お客さんの新たな指示で変更された場合、先に作ったものの代金はタダにはなりません。
ウチは比較的に良心的なんで、原稿の差し替えとか、大量の追加訂正を求められましたら、手を擦りながら、「その分の作業賃を頂戴しますが、よろしいですか?」と、お伺いを立てますが、何も言わずにニコニコしながら、ハイハイと引き受けて、請求額にドーンと加算するところもありますので、お気をつけください。
これを書き終わって、昔の出来事を思い出しました。
ある高校から、卒業文集を作りたいと相談を受け、見積書を出しました。
校正の途中で担当の先生から、「ページ数を増やして、巻頭の数ページはカラーにして、部数を50冊増やしたいんですが、同じ値段でお願いします」と言われました。
「同じ値段で出来ますか?」と問われたら、「出来ません」と、返事もすぐに見つかるんですが、「同じ値段でお願いします」と言われたら、「はぁ?」としか言えません。
でも、すぐに、
「先生が忘年会の幹事になったとしますわな、事前に料理やら人数やら予約して、当日に店に着いてから、『刺身の盛り合わせを舟盛りに変えて、人数を10人分増やして、値段は見積りの金額でお願いします』って、言うてはるのんと一緒ですねんけど、なんかおかしいと思いません?」と尋ねましたら、
しばらく困惑されてから、「予算がそれしか無いんです」と答えられました。
小さい子どもでも100円しか持ってなかったら、200円のお菓子が買えんことぐらいわかるのに、なんであんな事をおっしゃったのか、今でも理解に苦しみます。
原稿づくりからお手伝いしてるというと驚かれますが、広告代理店やデザイン事務所では、当たり前にしてはります。
印刷物を注文する時、完璧な原稿を用意しなくてはいけないと思い込んでおられる方がいますが、文字物以外なら、プランさえあれば大丈夫です。
物づくりには、カウンセリングって一番大事やと思うんです。
お客さんの思いを聞かない物作りでは、薄っぺらい物しか作れません。親友から頼まれたラブレターの代筆ぐらいの覚悟でお作りしています。
チラシより、ショップカードのほうが、安くて効果があると思うんですが、どうでしょうか?
コスパとタイパで考えたら、チラシよりショップカードの方が良いと思うので、ショップカードのメリットについて書いてみました。
年賀状の印刷が、印刷屋より郵便局やスーパーやコンビニのほうが早くて安くなってしまった理由
昔の郵便局は印刷屋に気兼ねして、自分とこでは印刷事業に手を出さず、印刷屋をお得意様扱いしてくれたりしてたんですがね。











