トースター理論


このあいだ、「自作データを通販印刷に注文したら、モニターで見ていた色と、違う色で印刷されてきた」というご不満を聞きました。

結論から申しますと、モニターの表示色が印刷色と合うように調整しておかないと、同じ色にはなりません。

たぶん、通販印刷でも、そのことをどこかに書いているとは思うんですが、他にもルールがいっぱい書いてあるんで、気がつかないと思います。

自分の家のトースターと、隣の家のトースターで、同じパンを同じ時間で焼いたら焦げ目が異なるように、パソコンのメーカーが異なるだけで、モニターの発色は変わります。
電気屋さんには、たくさんのテレビが並んでいますが、注意して視ると、発色がそれぞれ異なることに気がつくはずです。

パソコンの画面に表示する色は、RGBという方式で、赤・緑・青の光を組み合わせて作ります。たとえば、赤の数値を255にすると、赤の光が最大になります。

ところが、画面で見ている色を印刷する場合、インクやトナーで再現できる色に変換する必要があります。同じ数値を指定しても、機器や色の設定によって発色が変わるため、モニターで見た色と印刷の色が一致するとは限りません。

面倒くさいのは、印刷の発色はCMYK方式で、RGBとイコールにならないところです。
その上、CMYK方式はRGB方式より、色域が狭いため、色をRGBからCMYKに変換すると、色が寝ボケたり、明るさが損なわれたりすることがあります。

カラー印刷で発色の問題は、印刷会社が昔から抱える悩みの一つでして、昔は、本紙校正(色校正)と言って、実際にオフセット印刷機で試し刷りしたものでチェックしていました。

近年は、印刷もコンピューター化が進みましたから、印刷業界でJapan Colorという基準を作り、色の再現性を高める取り組みをしたり、パソコンモニターの色を調整(キャリブレーション)して、Japan Colorに合わせたり、Japan Color対応のプリンターで印刷して、色校正を出したりしています。

なんや、よう分からん説明をしましたが、要するに、印刷色と合うように調整していないモニターで配色しても、同じ色では印刷されないということだけ、ご理解ください。

「ほな、印刷色を確認するには、どないしたらえぇねん!」とおっしゃる方には、

  • 通販印刷に色校正を依頼する
  • Japan Color対応のプリンターを持っているコピー屋さんで出力してもらう
  • 印刷会社へ依頼する

ぐらいしか、策がございません。
ただ、オフセット印刷機で本紙校正でもしない限り、全く同じ色にはなりません。

私の経験上、iPhone、iPad、MacBookのモニターは、かなり近い発色をしてくれますので、近い色で良い方には、参考になるかもしれません。

また、昔、オフセット印刷の職人の爺さんが、「使う紙とその日の天気と気温と湿度で色は変わる!」と言うてたぐらい、発色は繊細なもので、印刷物を増刷する際は、今でも、職人が前回の印刷物に合わせて色を調整していますので、何事もこだわると、高くつきます。

トースター理論

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