詩歌集

大学の先生をされていた方から、知人や親戚、特に、お孫さんに残したいからと、詩歌集のご依頼をいただきました。

ウチで作ったものをご覧いただいてから、お客様のご要望をお伺いしましたら、少しの希望を述べられてから、装丁・デザイン・レイアウトは、全て任せると言ってくださいました。

『お任せで』という言葉には信用が隠れていますので、職人冥利に尽きますが、それが初めてのお客様ですと、まだ、好みがわかりませんから、非常に苦しむところです。

しかし、今回のお客様の原稿を拝見しますと、何を言わんとされているのかが明確でしたので、悩むことなく、スッとお作りすることができました。

書体は、フォントデザイナーとして有名な藤田重信さんが作られた、私の一番好きな「筑紫明朝体」をメインに組みました。

これまで、いろんな印刷物を作ってきましたが、こんなに筑紫明朝が映える仕事はありませんでした。お客様に感謝です。

お客様から、表紙には菩提樹の写真を入れてほしいとリクエストを受けておりましたので、菩提樹に関することを調べ、写真を探しました。

お孫さんへの想いがあると伺っていましたので、表紙には、葉脈が瑞々しく映る葉っぱを使い、書体は、今流行りの、細めのゴシックを使いました。

裏表紙には、菩提樹の花の写真を見つけましたので、絵画風に加工したものを載せました。

このような、文字が主役の印刷物は、どうも殺風景になりがちです。
かと言って、挿絵や写真を入れますと、悪目立ちすることがありますので、この本には、ノドに地紋を入れました。

イレギュラーな仕様でしたから、案の定、取引先の印刷所と製本所から、「ノドと小口を間違えてへんか?」と、問い合わせがありました。